大手苗メーカーさんからお話を伺えるようになり、トマトの接ぎ木用のチューブを協同開発することになりました。タキゲンにとっては未知の世界の製品ではありましたが、試作品を何度も繰り返し、テストを行い、高い活着率を実現しています。その結果2014年度タキゲン売上個数ランキングでNo.1になるほど成長しています。

樹脂の成型では、金型から成型品を離れやすくするために、通常離型材を金型に塗布します。ケーキを焼くときに型にバターを塗るのと同じ原理です。タキゲンでは食品に育つ植物の切り口に、化学物質が塗布された物でトマトの接ぎ苗を保持したくないと考え、接ぎ木のパーツには離型材を使用しないことを決めました。
接ぎ木のチューブは、その名の通りストローのような構造をしています。金型から外す場合はどうしても製品に圧力を加え、開いた形にしなければなりません。しかも、離型材が使えない上、材料が軟らかいためエアーで飛ばしても金型から離れませんでした。無理に外すと変形してしまい綺麗に成型するまで困難の連続でした。 金型を複雑に動くようにして、型から外すことは可能でしたが、金型代金が高額になってしまうため、製品単価を押えるためにもシンプルな構造で、型離れを良くする方法を何度も考え、実現することができました。 細かいことは企業秘密で書けないことが残念ですが・・・

タキゲンは高品質な製品を提供することに誇りを持っています。接ぎ木のチューブは１つ2.2円から大きさも1センチ程度と小さく安価な製品ですが人の目で確認することを怠りません。白い台の上で汚れを確認し、黒い台の上で形のチェックを行っています。

接ぎ木は一本一本、人の手で作業します。また、苗の鮮度を保つため、人の手が触れている時間を極力短くすることが求められています。作業性を向上させるために、タキゲンの接ぎ木チューブには様々な工夫がしてあります。
・挿入口には角度をつけて、台木と穂木がスムーズに挿入しやすくなっています
・透明度を高めて、活着面が確実に合わさっていることを確認できます
・品種に合わせてサイズ展開も豊富に作りました。
・そのほか、転がり防止機能や、つまみをつけたり、中心が確認できるように目印をつけたりしています。
タキゲンの製品はすべて現場で作業しているお客様の声から誕生しています。 ナス科の接ぎ木チューブにおいては、カタログに掲載している物だけでも4種14アイテムまで増えています。それだけではなくお客様に合わせて、軟らかさや、着色を施したりとカタログに載っていない製品も沢山在庫しています。きめ細やかな対応ができることもタキゲンの強みになっています。